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マラソンランナー |後藤 正治
Posted at 06/10/01 PermaLink»
マラソンランナー
後藤 正治
文藝春秋 刊
発売日 2003-12-16
新書ではなく単行本での出版という選択はなかったのか… 2006-04-20
主人公として取り上げられた6名は、著者が考える、その時代の日本を象徴するランナーである。東京オリンピックの頃を象徴するランナーとして、円谷幸吉ではなく君原健二を取り上げているのが如何にも彼らしい。もっとも、著者は登場する人達に円谷のことを必ず訊ねているので別格ともいえるのだが…。
著者は、そのランナー自身にとって最も印象深いレースは何か、何を考え、何を目的に走るのかということを取材する。そして、その結果が日本のマラソンランナーの思想の変遷となっている。著者は短篇作品であっても何度も取材を重ねてその人物像を描く作家なのだが、この作品ではそういう様子は伺えない。よって、章を構成する個々の作品は、著者のほかの短篇作品と較べるとチョット物足りない。この作品のために取材した章と、そうではなく過去の自作をもとに構成されている有森裕子の章を較べると違いがわかる。
しかし、全編あわせて一つの作品と考えて読んでみると、日本のマラソン史とランナーの思想がコンパクトにまとめられたいい作品である。ただ、枚数の限られた新書ではなく、単行本という選択はなかったのかなぁと残念に思う。
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